2012年4月10日火曜日

コールマン・ツーバーナーストーブ トラブル&メンテ 問題解決


アウトドアクッキングの定番、コールマンツーバーナーストーブ。
炎が青くならなかったり、どこからともなく燃料が漏れたり最近調子悪いなぁ! そんな時には、ココをチェック!(パーツリストは、ページ最後にあります。)
使い方のコツはこちらへ!

 炎が青くならない。(タンク内の圧力が、上がっていない)

図1(タンク断面/赤矢印はポンピングによって送り込まれる空気)

  このストーブは、ポンプでタンク内に空気を送り込み内部の圧力を上げ、その圧力で燃
  料バルブからジェネレータ内にホワイトガソリンを噴き出します。
  噴き出されたホワイトガソリンが、熱せられたジェネレータでガス化し、先端のノズルか
  ら出たガスを、マニフォールドでメインバーナーに導き燃焼させます。

 作業ミス】

 燃料タンクキャップは、締まっているか?

 ポンピング前に、燃料バルブを閉めたか?

 ポンプノブ脇の穴から、リュブリカントを2〜3滴注入したか?

 ポンピング前に、ポンプノブを左廻しに3回転程度緩めたか?

 ポンピング時に、ポンプノブ中心の小さな穴を親指で塞ぎながら最後まで
   正確にストロークしたか?

 ポンピング後に、ポンプノブを右に回して締めたか?(軽く締めればOK!)

  可能性の高い部分からひとつひとつ、消去法で原因を探し出してください。

 本体のトラブル】

1. ポンプカップのオイル不足  リュブリカントの注油。


写真1(リュブリカントの注油)
ポンプカップは、タンク内部筒状の壁を擦りながら動きます。カップと壁の間が、常にオイルで潤滑される事でエアーが漏れることなくスムーズな動きが可能となり、それによりポンプカップの寿命も延びます。
ポンプノブ脇の穴から、リュブリカントを
2〜3滴注入して下さい。(写真1)必ず専用の「コールマン・リュブリカント」を使用してください。他のオイル(エンジンオイル等)では、ポンプカッブを痛めますし、食用油等ではチェックバルブ内のボールを固着させる等、トラブルの原因となります

2. ポンプカップの劣化  ポンプカップの交換。

図2(ポンプアッセンブリー/ツーバーナー・ノーススター)

図3(ポンプアッセンブリー/クラシックランタン)

ポンプカップは消耗品と考えて定期的に交換するといいでしょう。
ポンプカップ単体は200円前後で、プッシュオンナットとセットになった物は300円前後で買えると思います。ランタンとストーブ共通ですので、常備しておけば安心です。


マイタージョイントの亀裂を埋めるための最良の方法は何ですか?
  
 写真2(ツーバーナー)           写真3(クラシックランタン)
ポンプノブアッセンブリーは、キャップがプラスチック製(ストーブ類はこのタイプ/写真2)と、アルミ製でクリップで止められている物(クラシックランタン等/写真3)があります。

プラスチック製の物は、黒い部分を左に回す事で、アルミ製の物はクリップを外せば簡単に外れます。いポンプカップを外すには、プッシュオンナットを−ドライバー等で浮かし、プライヤーで挟んで


プログラム可能なサーモスタットをインストールする方法
回転させながら引けば外れます。
この時、ポンプカップ後ろの
白いスペーサー(サポートプレート)を壊さないよう、十分注意してください。
プッシュオンナットは、数回の再使用は可能ですが新しい物があれば交換して下さい。

プッシュオンナットを脱着すると、ポンププランジャー部が削れて金属粉が出ますので、これをきれいに落として、金属粉がシリンダー内部に入らないよう十分注意して下さい。
チェックバルブや、燃料バルブの詰まりの原因になります。

3. マニフォールド内やバーナーリングに水が溜まっている マニフォールドの清掃。
雨や料理中に吹きこぼれた水分が、マニフォールド内(図4の6)に溜まっている事があります。本体を
逆さにするなどして排水してください。バーナーボウル(図4の5と25)に雨等がかからないよう注意してください。
外出時や夜間は、本体の蓋を
閉じる習慣をつけておくと突然の雨でも安心です。

4. 燃料キャップゴムの不良  燃料キャップの交換。(写真4)この部分のトラブルは少ないですが、念のためキャップ内側のゴムパッキンに変質はないか、ゴミ等が付着していないかチェックしてください
燃料キャップを閉める時も、ゴムの部分がタンクの口に当り手応えを感じてから1/2回転も締めれば十分です。締め過ぎは、緩める時に苦労します。

5. チェックバルブの不良  チェックバルブの交換・クリーニング。
    
図5/タンク断面/チェックバルブ        写真4/ポンプノブ(413)
チェックバルブは(図5/の矢印)、ポンプでタンク内に送られたエアーが漏れない様に一方向のみエアーが通るようになっています。(図1参照)
ここが壊れると全く加圧出来ないか、回数の割には圧力が上がらない状態になります。
チェックバルブの点検1(一時的な加圧が可能な場合)
ポンプノブを左に3回転ほどゆるめ、ポンピングを十分にしてタンク内の圧力を上げます。

写真5(ポンプノブ/413)
ポンプノブを緩めたままの状態で、ノブ中心の穴に写真5のようにライター等で火を近づけてみます。ライターの火を消しても、穴の部分から小さな炎を出して燃え続けるようであればチェックバルブから、気化したガソリンが漏れています。早めにチェックバルブを交換して下さい。チェックバルブの交換には、専用工具(¥1.500)が必要になりますので、腕に自信があるか、自分でやらないと気がすまない人以外は、メーカーに修理を依頼した方が良いでしょう。

チェックバルブの点検2(加圧出来ない場合)
チェックバルブからエアーが入らずに、最後までストローク出来ない場合。
正常な場合、ストロークの最後にエアーがタンクに入るので、スッと軽くなる感じが� �ます。最後まで押し込んだ状態でノブから指を離しても、ノブはそのままの位置です。
もし指を離した時に、ノブが
押し戻されるようだとチェックバルブ内のボールが固着しているか、バルブが詰まっている可能性があります。

燃料キャップを緩めて、タンク内の圧力を抜いた状態でポンピングしても上記のような状態になる時は、チェックバルブ内のボールの固着が考えられます。交換するのが一番ですが、次の方法で直る可能性がありますので、修理に出す前に一度試されるのも良いでしょう。

ポンプノブを3回程度左に廻してから、ポンプキャップを左に廻してポンププランジャーを抜き取ります。チェックバルブにねじ込まれた� ��態で残ったエアーステムを左に廻して外します。


ハードトップのガゼボ

タンクを水平に置いた状態で、ポンプの筒の中へホワイトガソリンを注入します。斜めになった筒から溢れ出ない程度に入ったら、ホワイトガソリンが気化しないようにアルミホイルで蓋をし、固着物が溶けてくれる事を祈りながら1〜2時間程度待ちます。

ホワイトガソリンを捨てて、内部が乾燥するのを待ってから、コールマンリュブリカントを筒の内壁に指で塗ってください。

ポンププランジャー先端のネジを合わせながら、指で右に廻して取り付けます。
ポンプノブパイプは、一部が潰されて四角くなっていますので、ポンププランジャーの合う位置を探して、ポンプカップ� �傷付けないように差し込んでください。これでポンピング出来れば大成功!ダメならチェックバルブ交換です。

可燃性のガソリンを扱う器具ですので、修理は個人の責任で行って頂き、自信のない方はメーカーに、修理依頼されるようお願いします。


5. ジェネレータの熱による劣化  ジェネレータの交換。     
写真6(ジェネレータ)              写真7(ニードル)
タンク内の圧力が上がっていれば、ここが一番怪しい部分です。ジェネレータを交換して直ればOK。変わらなければ、他に原因があります。
ニードルの先端にある
針を変形させなければ、かなり耐久性のあるパーツです。

ジェネレータをプライヤでくわえ(写真6)、に回して緩めて取り外す。ニードルも同様にして(写真7)外します。取り外した時と反対の順序で、新品のニードル・ジェネレータを取り付けます。
ニードルの取り付けは、
軽く締める程度にしてください。あまり強く締めるとねじ切れてしまいます。先端のの部分を曲げないよう注意してください。
ジェネレータパイプは、しっかり締めてく� ��さい。

7. バーナーリングに錆や、食物が付着している。 クリーニング又は交換    
写真8(バーナーボウル)          写真9(バーナーリング)
バーナーリングを止めている+ネジを緩め(写真8)、バーナーリングを取り外しワイヤーブラシ等で清掃し(写真9)、元通り組み立てる。
この時、バーナーボウル(お皿の形をした物)の下側に付いている石綿製の白いガスケットを壊さない様に静かに外して下さい。
2005年5月現在、この部分はパーツとして販売されています。以前のモデルには最初から付いていませんでしたが、気化したガスが漏れないよう追加されました。炎がバーナーボウルの下から漏れなければ、無くても特に問題はありません。

パーツ名:セラミックペーパー   部品番号:413-390  単価:¥200(税別)

パーツは、お近くのコールマン取扱店から発注してください。(コールマンジャパン社はパーツの通信販売をしておりません。)

バーナーボウル・リングの劣化や変形のひどい場合は、交換してください。

 燃料バルブを締めてもバーナー部の火が消えない。

燃料バルブが壊れていつまでも火が消えない場合、バルブを強く締めても同じです。通常の使用でも力一杯閉める癖のある人は、このトラブルを起こしやすいと思われます。一番下にあるパーツリストの価格を見ながら、この部分のアセンブリー交換か、本体の買い換えか悩んでください。

1. 燃料バルブを締めても、ジェネレータやマニフォールド内部に残った燃料で、しばらく燃え続けます。


2. 燃料バルブの不良  燃料バルブ一式の交換。
燃料バルブが閉めても、小さな炎でいつまでも燃え続ける。この症状が出ると、バルブシステムの交換以外に方法はありません。(バルブの構造上、右にコツンと止まるまで廻せば消火します。消えないからといって、力いっぱい閉めても効果はありません。)
燃料バルブシステム一式(413A6531)のみの交換も出来ますが、セットで動作しますので、バルブ一式(426-6561)で交換する方が良いでしょう。
バルブ一式の交換には、しっかりしたバイス(万力)が必要になります。


図5(バルブアッセンブリー)
バルブシステムの交換方法
タンク本体を逆さまにして、バルブシステムの頭の四角い部分(図5の赤い矢印部)をバイスで固定し、タンク本体を左に回して取り外します。
この時、緩めた回数を覚えておいてください。
取り付けの際には、その回数だけ締め付け、本体にセット出来るように取り付け角度を調整してください。
可燃性のガソリンを扱う器具ですので、修理は個人の責任で行って頂き、自信のない方はメーカーに、修理依頼されるようお願いします。

 点火レバーと燃料バルブの根元から燃料が漏れる
かなり頻度の高いトラブルです。燃料がバルブアッセンブリーを伝わってその下のタンクとの接合部に燃料が溜まるために、タンクとの結合部からの漏れと見間違う事が多いようです。

点火レバー・燃料バルブそれぞれの付け根のナットを増し締めして、漏れが止まればOKです。 どちらも真鍮製なので締め過ぎには充分注意してください、通常四分の一から二分の一回転程度の締め込みで十分なはずです。
どちらのナットも、締め過ぎるとレバー・バルブの回転が重くなりますので、締め過ぎないよう注意してください。
締め過ぎて後述したグラファイトパッキンが割れてしまうか、ネジ山がナメてしまうと、バルブアッセンブリーの交換しかありません。

この部分には、ゴム製では無いグラファイト(黒鉛)パッキンが使われています。これが細かく割れてしまう事があります。
こうなると部品交換しかありませんが、グラファイトパッキンのみ・パッキン付きのナットだけでは供給されていないので、やはりバルブアッセンブリーの交換となります。

 火を弱くすると、マニホールドとジェネレーターの差込口から、赤い小さな
    炎が出る。


写真10(ミキシング部からの炎)
火力を小さくした時に、ジェネレータの先端とミキシング部の間(写真10のい矢印)から、黄色い矢印の方向に気化したガソリンが漏れて、赤い小さな炎になって燃えることがあります。正常であれば、燃料バルブを閉めて消火後、しばらくはマニフォールド内に残ったガスがバーナー部で燃えやがて消えます。黄色の矢印方向へ炎が出ることはありません。
この赤い炎は不完全燃焼していますので多量の「すす」を出し、鍋やケトルの底を汚してしまいます。

原因=ジェネレーターノズルの変形
ジェネレーター先端の真鍮製ノズルが熱により変形し、パイプとのネジ込み部分に隙間が出来て、そこから気化した燃料が漏れる 事によって起きます。(写真11の矢印)

注)写真11は、413アンレテッドのジェネレーターです。通常のモデル(赤いタンク)用のジェネレーターは、矢印左側の太くなった部品は付いていません。



写真11(413アンレテッドのジェネレーター)

ジェネレーターを新品に交換すれば、問題は一気に解決しますが、この部分のために4.000円近くするパーツを交換するのはどうも?と思い、色々試行錯誤しています。
●耐熱性のパテ(ホルツ/ファイアーガム)を使う方法

  
写真12(HOLTS/FIREGUM)
カーショップで売っているマフラー補修用のパテ(色は白)です。(写真12)
耐熱温度1.000度と書いてありますので、温度的には全く問題無く振動の多いマフラー用なので、耐久性もOKでしょう。880円で直すことが出来れば、納得ですね!

ジェネレーター先端の真鍮製ノズルをレンチで外し、パイプ側のネジ部に耐熱性のパテ少量塗り、ノズルを元通り取り付けます。パテはノズル側のネジ部には付けないでください。
内部にパテが入ってしまうと、ノズルが詰まり使用不能になります。


写真13(413アンレテッドのジェネレーターにFIREGUM)

耐熱パテの量も多すぎないように、取り付け後はみ出したパテはきれいに拭き取ってください。上の写真の矢印で示した部分、白く見えるのが、耐熱性のパテです。
乾燥まで常温で8時間程度かかりますので、それまでは使用しないで下さい。完全に乾燥しないと熱で燃えてしまいます。
今回(2003/5)のキャンプでも問題なく使用出来ました。耐久性試験続行!     

 熱や持ち運びによる本体の変形
本体の鉄板は薄いので、使用中の熱により変形し、タンクの前後位置がずれてしまう事があります。大きくズレると、赤い炎の原因となることもあります。
本体にタンクをセットし、ジェネレータの先端がミキシング部に入る部分が、新品時の位置まで入っているかを確認してください。新品時の位置より抜け出ていたらタンクをセットする本体手前側の鉄板を手で曲げて、正規の位置まで戻してください。

バルブの付け根は、真鍮と鉄という異種金属が接するためと、くぼみに水が溜まりやすいのでが発生し易い部分です。また、タンク上下部品の接合部も同様に水分の残留による錆の発生が起き易い箇所です。そのまま放置すると、腐食が進み燃料が漏れて使用不能になります。

錆を発見したら、ワイヤーブラシ等で錆を綺麗に除去し、錆止め塗料(亜鉛粉末の入った物)を塗った後、完全に乾燥させ、タンク本体と同じ色の塗料を塗って保護してください。上の写真でも、タンクのフチの色が少し違っているのが分かりますね。

本体の汚れは、ウエスで拭き取るだけでOKです。ピカピカにしようと、水洗いする人もいますが隙間に水分が残って錆の原因になります。それではと、 錆止めにオイルを塗っては、と思いますが、次の使用時にオイル臭くて閉口するでしょう。
錆止めと聞くと、CRC556を思い浮かべますが、私には機械臭くてとてもアウトドアでの調理器具に使用する気になれません。
まず、跳ねた油を乾いたウエスで拭き取り、こぼれた煮汁も固く絞ったウエスで拭き取れば綺麗になります。

本体は、鉄板の防錆が十分でないため使用しているうちに必ず錆びますが、拡がりそうに無い小さな錆は気にしないでください。オフシーズンに部屋の中で保管している限り、そう簡単に穴が開く事はないでしょう。  

我が家のツーバーナーストーブは、パーツの交換しながらの使用で
今や、買った当時の部品は、本体と燃料タンクのみとなりました。



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